私が最初に誰かを「魂に戻す」という作業をしたのは
多分しらすちゃんです。
そんなことを意識したわけではなかったのですが
今考えるとそうだったなぁと思います。
おそらくは何か事情があって
元いた家に帰れなくなった彼女は
しばらくの間
うちのマンションの半地下の階段に
暮らしていました。
人懐っこかったけれど
その分、傷ついてもいました。
おそらくは、最初にとてもいい人と暮らしていたんだと思います。
誘ったら、自分から私の家に入ってきました。
最初は突然触ったら怒られてました。
「触っていい?」と聞いてから触るようにして
お互いにだんだんとなれていきます。
だんだんお腹が撫でられるようになり
最初は、ちょっと足や尻尾を踏んだら
ものすごい声で怒られていました。
(そんなに痛くないはずなのに・・・)と思っていましたが
この訓練のおかげで、
お互いに踏んでしまう、踏まれてしまうことが
すごく減りました。
私にはちょっと難しかったけど
絶対に「しらすちゃんのためにやってるの!」を言わなかったり
彼女の意思に反して何かをさせるのを極力少なくしたりしました。
同時に、私の楽しみや私の時間も削らないようにして。
そうしたら、テトリスみたいに
部分的にできるようになってきたことが増え
一緒にリードなしで散歩に行けるようにさえなりました。
最近は、一緒にコロコロして眠ることもできます。
これの何が「魂(本来の自分)に帰る」なんだ?
と思われるかもしれません。
でも、彼女は今、恐れることなく、
ちょっと思ったことを全部表情に出します。
ご飯を食べすぎることもなく、
好物のモンプチが出てきても、十分食べたら残します。
つまり、ちょうだいって言ったらもらえるとわかっている安心の中にいます。
そうじゃない時は、何か理由があるのだということも。
その中で、しらすちゃん本来の魂が持っている
本質的な性格をそのまんま身体を通して
生きることができるようになってきたのです。
だから、無理がないし、大体機嫌がいいです。
それはお互いに暮らす中で、
私にとっても楽でとても気持ちの良いものです。
今、私は頭の中にある自分が自分にしている
「ダメ出し」を止めようとしています。
怖いことが山ほどある私は
「こうならないとこうできない」
という条件付きの自分でいることが多々あるのです。
それは、恐怖から自分を動かしているので
全然安心につながらない。
つまり、それは本来の自分を発揮してないわけです。
しらすちゃんは今、恐怖から動くことがほとんどありません。
「こうしたいから」という理由で、動きます。
だから、「今はそれは無理」と言っても大丈夫です。
即座に足りないもの(怖さ)が解消されなくても
安心の中で暮らしているからです。
魂の自分、つまり本来の自分に戻ると言った時
私が目指しているのは、こんな状態です。
もちろん、私がお見せできるのは、
その方本来の輝きだけです。
それを自分で見つけていく過程をお手伝いすること。
それをまずは私自身にやっています。
最初は何をやっていたかわからなかったし、
今だって大変ですが
それでも、それができている人の在り方を見ると
「うーむ、目指すはそこか。良いなぁ」という在り方で
ちょっと楽しみです。
ここまで読んで、お気づきの方もいらっしゃると思うのですが
そうです。これが無条件の愛です。
つまり、魂の自分とは、無条件の愛の自分だということが
だんだんわかってきました。
そうだったのね!とびっくりする私。
さて、この旅はどこに私たちを連れて行ってくれるでしょうか。
ますます楽しみです。